こんにちは、福めがねです。旧ブログがレンタルサーバーが更新期限切れで閉鎖されていたのですが、やっと復活させました。
さて、メーカー向けマニュアル作成を手掛けるグレイステクノロジー(6541)の株価が、2021年8月11日発表の第1四半期決算発表後に、ストップ安まで売り込まれています。2020年末には株価は4000円を突破していましたが、足元では1000円を下回っています。
私はグレイステクノロジーの事業自体は今後も有望だと考えおり、再度購入する機会を伺っていたります。そこで今の株価は買いなのか分析してみました。
1.グレイステクノロジーの概要
グレイステクノロジーはメーカー向けマニュアル作成を手掛けており、また「e-manual」としてクラウド上でマニュアルの企画、構成、編集、制作ができるプラットフォームの提供を進めています。
2020年には同じくマニュアルを手掛けるHOTARU社を子会社化するなどして事業拡大を図っています。
マニュアル作成に成長性があるのか疑問を持つ人もいるかと思いますが、個人的にはかなり期待しています。私はメーカに勤めており社内には多種多様な社内マニュアルがあります。それらは業務を進める上で必須ですが、主にワードやパワーポイントで作成されており、作成にだらだら時間がかかる、明確な作成ルールが無い物が多く内容や質が作成者に依存する、それ故に再利用性が低い、等問題が沢山あり、ぜひ解決してほしいと願っています。そのような問題を抱えている会社は多いと考えており、このような業種は今後発展していくと思います。
グレイステクノロジーのHP:https://www.g-race.com/
2.グレイステクノロジーの業績
さてグレイステクノロジーの業績は下の図のとおりです。
順調な右肩上がりとなっていますが、今年度(2022年度3月決算)の営業利益予想の伸びが鈍化したことが、最近の株価下落につながったようです。そして2021年8月11日発表の第1四半期決算発表後に、株価はストップ安となってしまいました。
決算では業績の下方修正等はありませんでしたが、経常利益の進捗が15.7%と低かったことが懸念された模様です。例年グレイステクノロジーの第1四半期の進捗は低めな傾向がありますが、決算資料にはコロナの拡大による営業活動の制約や顧客企業の投資減が明記されています。
また2021年4月に代表取締役会長の松村氏が逝去されたことも不安材料となっています。松村氏はグレイステクノロジーの創業者であり成長を牽引されてきた方です。個人資産を投じてグレイステクノロジーのテレビCMを出していたことなども知られています。どのような状況で亡くなられたのかIR情報では定かでありませんが、代表取締役のまま亡くなられていることから、急な出来事であったと推測できます。
個人的なもう一つの注目点が、社員数がここ数年の売上の上昇に関わらず殆ど増えていないことです。下に社員数の推移グラフを示しますがほぼ横ばいなのがわかります。社員一人あたりの売上がどんどん向上しているともいえますが、社員を十分確保できてない不安があります。(HPに載っている社訓がワンマン企業だった故かブラック気味なのも気になるところです。。)
なお、HOTARU社の小会社化により2021年の連結社員数は170名と大幅な増加となっています。HOTARU社がグレイステクノロジーに倣い短期間で売上増となる期待はあるとおもいます。
3.グレイステクノロジーの株価
グレイステクノロジーの株価は以下の通りとなっています。信用残も併せて示しています。
去年末から株価は右肩下がりで、信用残も高いレベルで推移していることから、株価が本格的に上昇するには、まだ時間がかかりそうな形です。
ただ、2021年8月11日の決算発表を挟んで株価は950円まで急落していることから、信用買いの整理が急速に進むかもしれません。いずれにしても、株を購入するのは少し様子を見たほうが良さそうです。
4.グレイステクノロジーは買いか? (まとめ)
結論から言ってグレイステクノロジーは現時点では買いでは無いと思います。
まず、急激な株価下落で含み損を抱える人が多いと考えられ、株価が少し上がっても、ダラダラと戻り売りが出そうです。最近のグロース株の株価の推移を見ていると、決算失望で急激に下げたあとあまりリバウンドが見られない気がしています。入るには信用残の減少と株価の明確な上昇基調を見てからが良いと思います。
次に、グレイステクノロジーの株高を支えていた成長性がこの先どうなるか不透明感が強いということがあります。現在の株価950円でもPERは33倍程度であり決して安くはありません。代表取締役会長の松村氏が逝去した影響がどの程度か未知数ですし、HOTARU社を子会社化した直後でシナジー効果についてもまだはっきりしません。それらが明確になるのは、2022年度の本決算を待たないといけないかもしれません。
加えて、松村氏が保有していた株式2,797,400株(9.85%)の行方が決まっていないことが、決算説明資料に記載されています。株を保有してくれるスポンサーが見つからない場合、少なからず市場に売却され売り圧になる可能性があります。
これらの不透明感が株価低迷の原因となっていると思いますが、解決した場合は大きな株価上昇が期待できます。あまりリスクばかり考えると買うタイミングを逃しそうですが、購入は慎重に判断したいと思います。